REMA は、ひとつの問いから始まりました。
先に、私の立場をはっきりさせておきます。私は調香師ではありません。香りそのものを調合したのは、私ではない。私がしたのは、問いを立て、方向を示し、そこに辿り着くまで求め続けること。REMA は、その果てに形になったものです。
「なぜ、肌の香りは、
本人に聞こえなくていいのか。」
肌に寄り添う香りは、いつからか「自分では感じられないもの」になりました。すれ違う人には届く。けれど、まとっている本人にはほとんど届かない。それを香水の美点として語る言葉さえあります。
私は、そこを疑いました。順番は、入れ替えられるのではないか。
嗅ぎにいかなくても、ふとした拍子に返ってきます。
密度があって、もう一度嗅ぎたくなる。REMA の前半は、そのために組まれています。この三十分は、まだ誰にも会っていない時間のために置きました。身支度の途中、鏡の前、部屋を出るまでの短いあいだ。
香水がいちばん饒舌になるのは、売り場ではなく、そこだと思っています。